外断熱か充填断熱か

外断熱か充填断熱か

2014-05-09-13.53.20
断熱の工事は何が良いのか疑問に思われる方が多いと思います。
私が経験した事や勉強させていただいた事をお話したいと思います。
それは、工事の精度が良ければ、どの工事でも間違いではないと思います。
なんだそれは、と思われるとは思いますが、断熱もどのレベルを求めるのかで違いますし、
住宅はその要素だけで決めるべきものではないと思います。

建物は、予算の問題がありますし、住宅に住む家族構成によっても違います。

例えば、断熱材でも硬い断熱材で水分を吸わない断熱材の方が良いと主張する会社があります。
断熱材の透湿抵抗が大きいので壁体内結露は起きませんが音を反射するので、二世帯住宅には不向きだと思います。
鉄筋コンクリート住宅を外から包むには良いのではないでしょうか、水分を吸わないですし、
また、硬いからといって断熱性能が高いとは言えません。

性能は断熱材の熱伝導率をみれば、かなりザックリとですが、わかります。
例えば熱伝導率0.034の吹き付け断熱材80mmの充填断熱材と同じ性能の外断熱をする場合
外断熱で最高のフェノールフォームでも熱伝導率は0.022なので52mm必要となりますし同じ
0.034では80mm必要だという事になってしまいます。

また、グラスウールなど透湿抵抗の低い断熱材は壁体内結露が起こる可能性があるので、隙間なく充填をして
ペーパーバリアとして透湿抵抗の高い、防湿気密シートを設ける必要があります。
または、十分な換気によって水分が排出されるのを検討する必要があります。
(ただし、ペーパーバリアを設けない方法は寒冷地には向かないと思います。
外気の平均気温が0度以下になるような場所では凍結してしまう可能性があるのではないでしょうか)

性能を比べる基準として、Q値という数字があります。
数値が小さいほど保温性能が高いといわれています。
ただし床面積が大きい建物ほど良い数値が出やすいので目安で考えたほうが良いと思います。

パッシブデザインのセミナーなどに参加させていただくと我々建築にたずさわるものが目指すところは、
Q値で考えると数値は1.5前後が多いように思います。(エネルギー0住宅をめざすとしたら)
長期優良住宅は2.7ぐらい

Q値が1を切ると保温性能は高くなりますがそれだけ熱が逃げなくなります。
Q値の性能を高くし空調設備等で住環境を整えていく住み方を考えているのはパッシブハウスといいます。
住宅密集地域ではやむおえないのかもしれません。
ただ、地域によっては、冬は暖かくても、夏は暑いと言ったご意見もでるようです。
例えば、密集地域以外では風の流れを考えて間取りを考えるなどした方が良い場合があります。
岡山県の津山市の工務店さんではQ値が1.9でも無冷房の住宅を実現しています。
屋根側の断熱性能を強化し、窓の配置を考慮した結果だそうです。

工法にとらわれすぎずに、どのように住宅を計画するのかを考えるのが良いと思います。
他の工法を非難しても極端な例を挙げている場合がおおいので、正確な知識が必要です。
シュミレーションによって結露の危険がある建物もわかりますし、どのぐらいのレベルの住宅になるかも
予想できるようになっています。
ただし、一番の問題は施工の精度です。
どんなに良い計画をしても施工の精度が悪ければ、良い建物になりませんし事故が起こりやすくなります。
それを確認するためにも実際の現場の[気密測定]をするべきだと思います。